みんなのオシ本レビュー

テーマ:食べる!の本

食べたことがないものばかりだけど、
体にやさしく染み込みおなかがいっぱいになる本

koshimiさん

東京都

食堂かたつむり

小川糸

ポプラ文庫

すべてを失って呆然とする倫子。でも大切なぬか床が残っていた。これを手に高速バスに乗って実家へ帰るところから始まるこの物語は、その後倫子がひらく食堂で出される驚きの料理の数々でとても豊かでやさしく多くの人の心を癒やしていくのです。食材に対する深い愛がおいしい料理を作りだすのだと実感します。料理の手順も温度もとてもよく伝わってくるけれど、決して私には作りだせないと感じてしまう。ザクロカレー・りんごのぬか漬け・飲んだ人がみんな幸せになるジュテームスープ。わからないけど、食べたこともないけれど、あまりに繊細な描写で心が満たされます。ちょっと疲れている人、悲しみの中にいる人は、読むとおなかも心も満たされて元気がでるんじゃないかな。