みんなのオシ本レビュー

テーマ:いろんなLOVEの本

あなたにとっての「正しさ」(愛)って?

佐藤ユンコさん

千葉県

海を照らす光(上)(下)

M・L・ステッドマン著 古屋美登里訳

ハヤカワepi文庫

舞台は二十世紀初頭のオーストラリア。ある島の灯台守の男と妻の愛情溢れる物語、と一言では片づけられない小説だ。二人は赤ん坊を亡くした後、ある日、船で流されて来た生後間もない赤ん坊を発見する。罪の意識と妻の笑顔の狭間で苦しんで出した男の決断は、読者に様々な問いを投げかける。物事に、正解や道理が存在するというのなら、それは一体誰にとってのものなのか。人は、自分にとっての「正しさ」を信じているだけではないのか。時にその「正しさ」は誰かを傷つけ、誰かを救う。だから「正しさ」は「愛」に置き換えられる。登場人物は皆、各々の「愛」を信じて、懸命に生きているだけなのだ。今年映画化もされたが、まずは文字でじっくり読んで、考えて、自分自身に問いかけてみたい。

哲学的な書評。この一冊を無性に読みたくなりました。

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