みんなのオシ本レビュー

テーマ:青い春の本

暗くて美しい青春で摑める想い

しんがりさん

東京都

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

桜庭一樹

角川文庫

この物語に出会って、鮮明に覚えていないあの時期が青春時代だったんだと思い返すことが出来ました。青春時代につらかった気持ちも伝えきれないと感じた気持ちも、海の泡のように消えてしまったけれど、この物語の主人公のように暗い青春時代に摑んだ想いが知らず知らずに大切な心の糧になっていると感じました。青春時代の社交界で偏見を持たずに努めることは大変生きづらく冷めていることかもしれません。皆が持っている偏見には無関心だからです。その一方で、強さを自分自身の為に使えない人は砂糖菓子の弾丸を撃ち、必死になって無関心と戦っています。溶けて消えてしまうその弾丸は、青春時代の私達が受け止めきれなかった出来事を海面に浮かび上がらせ浄化してくれました。