みんなのオシ本レビュー

テーマ:青い春の本

大人ではないけれど、子どもでもない

中島一彦さん

東京都

小学五年生

重松清(著)

文春文庫

友達の転校、転校先での出会い、親しい人の死や病気、両親の離婚、淡い恋心、大人への思い……。さまざまな出会いと別れが描かれている小品集。大人ではないけれど、子どもでもない、小学五年生が体験するいろいろな生活シーンを、季節感とともに見事にひろいあげていく。教科書にも掲載されたものもあるので、どこかで読んだことがあるかもしれない。小学五年生が読んでも、中学・高校生が読んでも、大人が読んでも、共感できる。主人公が泣いたり笑ったりするのと一緒に、読者の私たちも泣いたり笑ったり。重松清さんが、自身の中にいる小学五年生をすくいあげたとのこと。その筆力と感性を味読したい。