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11月のセレクト

戌井昭人さん

PROFILE

いぬい あきと
1971年東京都生まれ。パフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」で脚本と出演をつとめ、舞台・映画・CM・テレビドラマなどに多数出演。2008年より著作を発表し、代表作に『すっぽん心中』『まずいスープ』『のろい男 俳優・亀岡拓次』など小説のほか、絵本、エッセイなども手掛ける。

戌井昭人さん の
オシ本は・・・

『あちゃらかぱいッ』色川武大[著](河出文庫)

笑いにも色々あって、バカバカしくて笑う、楽しくなって笑う、悲しみから抜け 出すために笑う、わけもわからず笑っている、思わず笑ってしまう、などなど。今 回、さまざまな笑いが生まれる本を紹介していただき、やはり「笑い」ということ は、「食う」と同じように、人間にとっては不可欠なものであるのだと思いました。 そして、どんなことがあっても、人間は、笑いを求めていて、笑うことができるか ら、救われているのだと思いました。

戌井昭人さん のオシ本

わたしの推薦する笑いが生まれる本は、『あちゃらかぱいッ』(色川武大)です。笑いが生まれてくるまでの裏には、悲しみが あって、哀愁がある。さらに、それが反転して、ものすごくバカバカしいことが起きたりもする。しかし、この本に出てくる芸人は、既にそんなものすらうっちゃってしまっているくらい壮絶です。笑いに取り憑かれ、ずぶずぶ沼にはまってしまった人たち、笑いを超えた怖さもあります。

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