今月の話題本レビュー

あの世に持っていくにはもったいない 陳平 ここだけの話

野末陳平[著]

青春出版社

定価1000 円(+税)

テレビ草創期からの半生記と賑やかな交友録

名脚本家でありタレントであり、長く政治家も務めた著者は現在86歳。昭和のテレビ草創期からマルチに才能を発揮してきた、その半生記を縦糸に、賑やかな交友録を横糸に綴ったのが本書です。「人運がよかった」というだけあって、野坂昭如、梅沢富美男から本田宗一郎まで、各界で活躍する人たちとの表裏ない付き合いが、著者の人生を支えてきたと言えます。24年間務めた議員時代の永田町人物録も見逃せません。中でも極め付きは、終生の仲となった立川談志との思い出と、その縁で生まれた落語家たちとの交友です。とりわけ、晩年の談志とのエピソードは心にしみます。本書の最後は、亡くなる1、2年前に談志が書いた文章「陳平との思い出……」。熱い友情が伝わってきます。