今月の話題本レビュー

旧約聖書の中に古代歴史ロマンを求めて 釈迦の時代までの宗教史の一つとして

浄土宗延福寺住職 仲野貞弘[著]

文芸社

定価1100円(+税)

歴史物語として読み解く『旧約聖書』

昨年、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言したことで、世界中に波紋が広がりました。こうした、連日のニュースに登場する中東問題の根源は『旧約聖書』の時代に遡ります。著者は、私たち日本人にとって身近とは言い難い『旧約聖書』の世界を「古代歴史ロマン」として捉え、その概要をわかりやすく伝えます。たとえば、「エステル記」には、ユダヤ人がインドまで来ていたという記述があるといいます。また、「エズラ記」にあるユダヤ人がユダの地に帰還したのは釈迦の時代と重なると、僧籍にある著者は指摘します。本書に導かれ、広い視野から『旧約聖書』を読むことで、壮大な歴史の世界を身近に感じられるでしょう。